ランディングページとは
ECサイトで収益をあげて成功をおさめるためには、そのサイトを訪れた多くのユーザーが一番最初にアクセスするランディングページの良し悪しが大きな鍵を握っていると言っても過言ではありません。
ランディングページは主にサーチエンジンの検索結果でリストアップされたリンクやウェブ広告をクリックした先に表示されるページを指し、実店舗に例えるならば正面玄関に相当する場所で門戸を広げて誰もが入りやすい体制や雰囲気を整えておくことが大切です。
過去の歴史を遡ってみると、解像度で見ればパソコン全盛だった時代には地上デジタル放送やオンライン動画配信サービスの普及も相まって1980×1080ドットのフルハイビジョンが主流となった後、4kの時代が訪れるかに見られましたが、スマートフォンやタブレットの台頭により標準的なディスプレイの規格を大きく逸脱するような独自の解像度を持つ端末が広く普及するようになりました。
スマホやタブレットでも見れるように
ホームページの作成に利用されるプログラミング言語もHTMLの時代から、さらに高度なデザインを実現するCSSにスタイルシートや各種スクリプト、場合によってはユーザーに別途アドオンや外部プログラムをインストールしてもらいアニメーションやサウンドが再生される派手な演出を盛り込むなどデザインセンスやテクニックを駆使するのを競っていた時代もありましたが、パソコン用しか存在しないそれらのアドオンや外部プログラムをスマートフォンやタブレットにインストールするのは不可能なため、おのずとそのページへのアクセスが不可能となります。
場合によっては数百MBにものぼるアプリケーションのダウンロードやインストールも、下り最大1Gbpsが主流の光ファイバーと直結したパソコンならばほんの数秒で済む作業も、通信費が気になるモバイルデータ通信を利用したりパソコンと比較して10分の1以下とも言われている限られた容量しかない内蔵ストレージを持つ端末にとっては大きな負担となります。
現在ではパソコンの出荷台数をスマートフォンやタブレットが大きく上回り、今やメインストリームとなっておりランディングページもそれらの端末からのアクセスを大きく意識する必要があります。
幸いなことに多くのホームページを作成するためのプログラミング言語は下位互換を持っているため、携帯端末に合わせて作成すればパソコンでも問題なく利用できるのも大きなポイントです。
時代の変化
以上のような理由から昨今のランディングページのデザインは過去のデザインやテクニックを追及する傾向から、シンプルで分かりやすく互換性の高いものへとシフトしています。
異なる端末用のページを表示させると解像度が合わずにレイアウトが崩れてしまうことが考えられるため、かつてはパソコン用ページとモバイル端末用ページを別途用意して選択してもらったり、アクセスに利用している端末の種別を自動検出して専用ページにジャンプさせるという手法も取られましたが、前述のようにディスプレイの標準規格を大きく逸脱した解像度を持つ端末も急増していることから、解像度を理由にページを分けるのはもはや意味を持たなくなりつつあります。
そのような中で辿り着いた結論が、パソコンでもスマートフォンでも、あるいはインターネット対応のテレビやゲーム機などあらゆる端末に対応できるシンプルなデザインをプレーンなHTMLで作成するという方法です。
ほとんどの情報をテキストベースで表示させ、画像もECサイトの名称やロゴ、商品の紹介写真程度の最小限に留め、どんなプラットフォームからも正しく表示できる標準的な仕様を目指します。
この方法ならばモバイルデータ通信を利用して携帯端末からアクセスするユーザーもダウンロードから表示までが速く、通信費や端末への負担をほぼ気にする必要が無くなります。
従来より改善された点
ECサイトの運営者は従来のように複数のページを作成したり管理を実施する手間を大幅に削減でき、貴重なリソースをECサイト業務の本業である良い商材を仕入れて提供し、それを必要としているユーザーに確実に届けるという質の高い顧客サービスへと費やすことができるようになり、運営者と顧客の双方にとってウィンウィンとなる方策です。
利用環境のハンディキャップを感じさせないシンプルで分かりやすいページから素早く購入手続きが行えるサービスを提供し、このサイトは使いやすいECサイトだと感じてまた次も利用したいと思ってもらえるならば、貴重な固定客やリピーターとしてECサイトの売り上げに恒久的に大きなプラスの影響を与える可能性を秘めています。
冒頭にあげたようにECサイトにおけるランディングページは実店舗に例えるならば正面玄関にあたる場所で、誰もが気軽に入店できるかの如く、シンプルで分かりやすくアクセスしやすいランディングページを作成することがECサイトの成功のための大きな第一歩となります。